年末年始のこの時期になると、
「お正月に飲む縁起の良い名前のお酒はありますか?」
と、お客様から相談されることが多くあります。
日本酒「出雲富士」を造る島根県の富士酒造は縁結びで有名な出雲大社のお膝元にある酒蔵。
初夢で見ると縁起が良いとされる
“一富士二鷹三茄子(いちふじ・にたか・さんなすび)”の
「富士」の字が入った新年にぴったりなおめでたい名前の銘柄です♪
「出雲富士」は香り穏やかでキレの良い食中酒向きの酒質で
お節料理やご馳走ををつまみながら自宅でゆっくり楽しんでいただきたいお酒のひとつ。
本日は、新酒を仕込み始めた10月末に蔵へお伺いした時の様子をご紹介します!
旧暦10月。
全国的に旧暦10月は
「神無月(かんなづき)」と呼ばれていますが、
これは全国の八百万(やおよろず)の神々が年に一度島根県の出雲大社へ集まり
各地の神様が留守になるからと言われています。
出雲では、「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。
そんな神在月に、様々なご縁が繋がる町、
島根県出雲の富士酒造にお邪魔させていただきました!
日本古代史に必ず登場します!
八つの頭と尾を持った巨大な大蛇 ヤマタノオロチにスサノオノミコトが「八塩折(やしおり)の酒」を飲ませて、
長い剣で斬って退治する場面も登場します。
八塩折の酒は、水の代わりに酒を使って何度も繰り返し醸した濃厚な酒(貴醸酒のようなお酒)です。
神話の時代からこの地には高度な酒造りの技術があったことが伺えます。
出雲が日本酒発祥の地と称される由縁です。
昭和の時代を感じることができる飲食店街の中にあり、
専務(兼杜氏)の今岡 稔晶(としあき)さんに
蔵を案内していただきながら話をお聞きしました!
・目指す酒質を教えてください
それは山廃仕込みや菩提もとで醸すことではありません。
日本酒ならではの清らかな美味しさを求めて行きたいと思っています!」
・造りの行程で拘る点を教えてください
特に和釜から「蒸籠」に変えたことで麹の出来が断然かわりました。
一回に蒸せるお米の量が少ないので手間暇が掛かりますが、酒質の向上には欠かせません。」
出雲の自然の空気の中で酒造りがしたいという想いで
出来るだけ人の手で、自然の環境下で酒造りを行う富士酒造。
上槽の際には全自動の搾り機の導入を検討したこともありましたが、
大量生産は出来なくても代々伝わる昔ながらの木槽(きぶね)搾りで
丁寧に一滴一滴搾っていくことで木槽でないと表現できない味わいに拘ります。
伝統を守ると同時に新たな設備も導入して進化を続けています。
・酒名の由来は?
「出雲」という地で、「富士山」のように人に愛される
最高峰を醸したいと日々精進してゆきます!」
熱く語る今岡専務の考えに賛同した人たちが、蔵人として県外から集まってきています。
皆さん全く違う業種からの酒造りで年齢も様々でしたが、
無駄のない動きとチームワークの良さ、
酒造りへの情熱は蔵全体から充分に伝わってきました。
素直においしい出雲の地酒を造り続けます。
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