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“flamingo orange”(フラミンゴオレンジ)。

この商品名を初めて聞いた方は、「いったい何のお酒なのだろう??」と思うことでしょう。
「サツマイモを原料とした芋焼酎なんですよ」とお話すると、皆様たいへん驚かれます。

そして、その香りを初めて味わうとき、とても新鮮な衝撃を受けることになるのです。
様々な個性を持つ素敵なお酒たちと出会ってきた、酒屋の私たちでもそうだったのですから。
今回はflamingo orange誕生までのお話をしたいと思います。

鹿児島県霧島市「国分酒造」

それは2017年夏、国分酒造を訪れたときのこと。
私たちは施設の見学を終え、杜氏・安田宣久(やすだ のぶひさ)氏のお話を伺っていました。
老麹(ひねこうじ)や生酛(きもと)仕込み、大正時代のレシピを再現した芋焼酎のことなど…

▲令和初となる2019年黄綬褒章受章、おめでとうございます。

そうして、「今は酵母が面白いんだよね。色々試してみたんだけど」と、
安田杜氏お気に入りの試作品を飲ませて頂いたなかに、明らかに香りの際立った焼酎がありました。

新鮮な果実や花のような華やかな香り。南国の暖かな景色が目に浮かぶほどでした。
「これは一体どんな焼酎なのですか?!絶対に世に出すべきです!」
我に返った私たちは安田杜氏に力説していたのでした。

「鹿児島香り酵母1号」

聞けばその名も無き焼酎は、過去に少量発売した「いも麹芋丸造り」の兄弟とのこと。
“丸造り”とは安田杜氏お得意の芋麹を減圧蒸留した、すっきりと飲みやすい焼酎です。
お客様からの評判は上々でしたが、まだ今一つ何かが足りないと感じた杜氏は、焼酎の「香り」に着目。
ワインや吟醸酒用の酵母など、様々な酵母を試している折、県の工業技術センターが新開発した「鹿児島香り酵母1号」を使ってみないかと声が掛かりました。

「鹿児島香り酵母1号」で仕込んだもろみからはフルーティで華やかな香りが立ちのぼり、蔵にいい香りが充満するほどに。
慌てて香りの成分分析を行ったところ、「シトロネロール」と「ネロール」という2つの成分で、一般的な芋焼酎の10倍以上という極端に高い値が示されたのです。
この2つは柑橘系の香り成分であり、このうち「ネロール」はビターオレンジの花から抽出される“ネロリ”というエッセンシャルオイルの主成分。
なるほど、私たちが感じた果物や花の香りはこの成分に由来するものだったのです。

フラミンゴオレンジと名づけるまで

すっかりこの焼酎に魅せられてしまった私たちは、是非とも商品化させてほしいと懇願しました。
笹山社長は「う~ん、やるとしたら名前は“丸造り”とか、“丸芋”にしようかなぁ?」と仰いましたが、失礼ながらこの華やかな香りの焼酎に“丸芋”はちょっと…
ということで、私たちに名付けとデザインをお任せ頂けることになりました。

先ずはネーミングです。この焼酎の最たる特徴は「香り」。
まるでライチやマスカット、柑橘のピールや花のような、明るく、暖かい印象です。
色に例えるならば果物のオレンジ色や、瑞々しい葉の緑、黄色い花。
柑橘類の香りと暖かな色のイメージから、「オレンジ」をテーマとしました。
他にも印象的であった花の香りから、南国の花ハイビスカスを思い浮かべました。
ハイビスカスには美しいオレンジ色の花を咲かす種があり、その名を「オレンジフラミンゴ」といいます。

花言葉は“繊細な美”、“新しい恋”。まさに私たちの感じたイメージにぴったりでした。
このオレンジフラミンゴから着想を得て、可愛らしいフラミンゴのデザインが完成しました。
ボトルネックのキャップシールがオレンジ色なのも、こだわりのポイントです。

フラミンゴオレンジ誕生

こうして出来上がったflamingo orange。
初めての仕込みということもあり生産量はごく僅かでしたが、
今後の発展性を考えPB(プライベートブランド)ではなく全国展開としました。
この焼酎には多くの人を惹きつける魅力があり、“芋焼酎が苦手”な方のイメージを変えてくれる確信があったからです。

そして昨年2018年6月、flamingo orangeは彗星のように登場しました。
私たちの想定を遥かに上回るスピードで売れ行きが伸び、三か月も経たずに完売。
リリースされる毎にファンを増やし、今まで芋焼酎には見向きもしなかったという方までもが「美味しい」と笑顔になります。
flamingo orangeは芋焼酎への苦手意識を取り払いながら広まっていき、いずれは言葉の壁も越えていくのでしょう。

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フラミンゴオレンジ